幼児期というこれからの基礎となる大切なこの時期に「人と関わる力を育みたい」という願いからです。クラスの中でも育つものではありますが、いろいろな年齢、いろいろな人と多くかかわることでより育まれるものと考えています。 |
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「○○のようになりたい」と身近な人を目標とすることで意欲や好奇心を高めます。関わること、コミュニケーションをとる中で、自分の思っていることを伝えようとする。友達の言葉に耳をかたむけることが必要ということも感じ、身につけていくものです。 |
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![]() 大人ができることは、そのような環境を作ること。常に自分も人のことを思いやることができているのか、相手の立場になっているか、考えながら一緒に取り組んでいきます。 |
![]() 幼稚園のあちらこちらに自然に子ども同士の関わりの場面が生まれます。私たち保育者は、自然にかかわる子ども達の姿をうまく拡がるように環境を整えていきます。 しばらくして、登園後の着替えのお手伝いに年長児が年少児の保育室に行ったり、食事のときに準備のお手伝いに行ったり・・・・。そのうち、園庭で一緒に遊んだり。子ども達は、身近に異年齢の友達を意識し始めます。このことが、「異年齢保育」のスタートです。 |
![]() このころ、数日間「異年齢学級」を編成します。一緒に生活をしていたクラスのお友達と少し離れることになりますが、他のクラスや他学年の友達、保育者と一緒に幼稚園生活を過ごします。今までとは違い、生活を共にしながら、さまざまな友達と関わります。初めは少し戸惑うことがありますが、友達の力を借りながら過ごしていきます。 |
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![]() ひとまわり大きく成長した子ども達は、6月から7月にかけて「どろんこ遊び」「プール遊び」を園庭で思いっきり繰り広げます。どろんこ遊びをダイナミックに楽しむ年長児をみて、「あんなふうに遊ぶのか」「一緒に遊びたいな」とあこがれの気持ちを抱く年中・年少児たち。「遊びの天才」のごとく子ども同士でどんどん拡がっていきます。 私たち保育者は、うまく子ども達同士がかかわれるようそして遊びが拡がるように大きく環境を整えています。 |
![]() このことは、「ちいさいお友達が、頑張っている」「お兄ちゃん達、すごいな」という「感動」を生み出します。子どもは、なかなか友達同士で褒めることは、少ないですがそこは、保育者がすかさず「年少さん、頑張っていたね」と声をかけると「うん」という年中・年長児のこたえ。「年長さん達は、じょうずに体操するね」と声をかけると自分たちも上手になりたいという気持ちが顔にあらわれる年少児。 そして、運動会のプログラムに「異年齢児競技」を組み込み楽しくそしてともに練習や活動することで気持ちが一気に盛り上がりをみせます。この気持ちや意欲が子ども達の活動のすべての「みなもと」となることと私たちは認識しています。 |
![]() 年長児がクラスで競って走る「リレー」年中児は「バトンをもって走りたい」という気持ちがあふれてきます。うんどうかいごっこではそんな気持ちを身体で表現します。 そうです、他の学年が練習してきた演技や競技を自分たちで楽しみます。 「ポンポンもって踊りたかってん」そんな気持ちは新たな「意欲」です。いつも練習をみていた子ども達、音楽をいつもきいていた子ども達は、練習をしていたかのように「リズム表現」をこしていきます。子ども達の感性には私たち保育者もおどろかされます。 |
運動会「異年齢競技」は子ども達の「躍動」の場面です。 |
![]() そして、ここでも異年齢児で「共同制作」をします。製作の過程で「おしえあったり、おしえてもらったり」とたくさんの関わりが保育室に充満します。子ども達同士、異年齢児のかかわりは製作活動を意欲的にします。 |
「異年齢児の総合保育」は、子ども達にとっては、戸惑うこと以上に「喜び」や「楽しさ」を味わう活動となります。日常のクラスではみられない子どもの一面を発見したり、「こんなこともできるんだ」という子どもの成長を保育者があらためて認識することができます。このような活動を取り入れ、子どもの「人と関わる力」を育てていきたいと幼稚園では考えています。 |
異年齢児の関わりは、年上の友だちが年下の友達を助け、やさしく接することが主旨となります。そのことが、自覚・思いやりの心を育みます。そのことも大切にしながら、「年長組だから教えてあげる」「年中組(年少組)だから教えてもらう」ということにとらわれずに活動し過ごしたいと考えています。子ども達に親しみのある活動や日常生活の中で知っていることは、教え合い、困っている友達には思いやる気持ちを持つことが出来ればと思います。「〜だからしてあげる」という張りつめた思いや気持ちからでなく、自然なさりげない関わりを持てることで、いつでもどこでもその関わりが持てる子どもに育つのではないでしょうか。 |
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クラスの中では、なかなか力を発揮できない子どもにとっては、自分をだせる機会とするなど、教育効果を期待する面がたくさんあります。子ども達がいつもと違う友達と一緒に過ごすことや違った環境の中で自分なりに生活し、楽しめる心が育ってくれればと思っています。 |
戸惑うこともちょっとありますが、活動の中でその戸惑いを自分なりに少しずつ変化させていく心の成長を保育者やまわりの友達で援助していきたいと指導の基本をおいています。 |
そして、ご家庭での「何だか楽しそうね」「どんな友達ができたの」と子ども達が躍動的になるよう言葉掛けていただくことによってよりいっそうの教育効果が得られると信じています。 |
私たちは、友達の思いを受け止めたり、伝えあったり、友達の良いところに気づいたりする心が徐々に育まれることを意識し環境を整えています。 |
生活をともにするということで保育者間での子ども達のことについての話し合いや共通理解の徹底に努め、クラス担任とはなれることになりますが、子ども達のことについての「情報連絡」等も十分にとりあいます。多くの保育者の眼に触れ関わることで子ども達のたくさんの姿を発見し、今この保育に活かしていきたいと考えて実践しています。 |
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